【詩】人生は、ただ在って、やがてすぎ去るもの

【詩】人生は、ただ在って、やがてすぎ去るもの

人生は天気とまるで同じだ

人間の力で天気を変える事はできない

晴れの日は外へ出て遊び、働き、

雨の日は家で本を読む

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天気に身を任せて生きると楽だ。

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だって、自分で決める事がないのだから。

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そして

天気はきっと、

もうすでに最後まで決まっている。

晴れ、雨、曇り、台風、カンカン照り、みぞれ、雪、霧、強い風の日も、虹の出る日もある。

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人間には、明日がどんな天気なのかを

はっきり知ることは、できない。

だから、知ることを諦めた方が楽だ。

明日になれば分かることなのだから。

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一人一人の世界がまるっとした宇宙なら、

天気は来て、また変わり、過ぎ去っていくだけである。

人間は天気を見ては一喜一憂し、

右往左往し、

嘆き悲しみ、またある時は喜び、至福に浸る。

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それらの感情もまた天気と同じ。

来て、また変わり、過ぎ去っていく。

来てもやがて去ることを知っているならば、

憂うことはない。

その渦に入ってしまうこともないだろう。

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縁側に座ってお茶でも飲んでいればいい。

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人生で起こる出来事もきっと天気と同じだろう。

決まっていないようで、決まっている。

もうすでにきっと。

全てはたたみ込まれていて、そのページが開かれると展開する。

そんな仕組みなのではないか?

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だから私たちは

ただ淡々と

“今日”という展開されたカレンダーを過ごす。

それでいい。

来て、また変わり、過ぎ去って行く。

人生は、名残惜しい夏のようなものなのかもしれない。

そんな風に終われたら最高だ。

私は

過ぎ去って行く長い夏をこうして眺めている。

行き過ぎる全てのものを

愛している。

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