訃報と幼馴染

訃報と幼馴染

こんにちは。さきちです。

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2024年3月8日金曜日

今日、幼馴染とLINE電話していて

唐突に彼女が『ちょっと悲しい報告がある』と切り出した。

私は驚きながらも、彼女が話し出すのをジッと待っていた。

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実は先月のことだけど、父が亡くなったの』と。

そう言い終わるか終わらないかくらいで、私の目からは涙がポロポロとこぼれていた。

彼女は泣いていなかった。

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彼女とは6歳からの付き合いで、同じクラスになってからというものずっと仲が良かった。

休みの日もよく遊んでいた。

当然彼女のお父さんとも顔見知りで、一緒に遊園地へ行ったこともある。

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大柄で頼り甲斐のある体格をしていて、幼馴染の彼女のことをとても愛していた。(溺愛と言ってもいいくらいに)

なので、その友達である私もとても良くしてもらっていた。

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大きな会社の社長をしていて、いつも堂々としていた。

最後に会ったのは…彼女の結婚式だった。

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実は彼女のお父さんと私の父とは同時期くらいに脳出血で倒れていた。

当時、世界はコロナ禍だった。

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私の父は身体に不自由はあるけれど、なんとか歩けるようになり、運転はできなくなったけれどデスクワークの仕事にも復帰した。

もうあれから3年経つ。

彼女のお父さんの病状は詳しくは聞けなかったけれど、ずっとリハビリ施設にいたようだ。

幼馴染は結婚して東京から地方に嫁いだため、なかなかお父さんのお見舞いに行けなくなった。

容体が変わって、そばに行けないままお父さんは亡くなってしまったそうだ。

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『でも、亡くなる前に電話で声掛けできたし、孫の顔も見せられたし…』と彼女は絞り出すように言った。

私がボロボロ泣いたせいで、彼女は我慢していたのに、堰を切ったように泣き出した。

それを見て少しホッとした。

泣けて良かった。

ちゃんと涙を流すことで、少しでも彼女の癒しになればいいと思った。

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大切な人はいつか居なくなる。

それはこの世に残る者にとっては寂しくて切ない。

だけれどきっと本人は、もうそろそろ死ぬんだということを理解して、

“その時”が来たらきちんと肉体を脱いで、この世を卒業する。

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あれだけ娘を愛していたその気持ちは、これからも温かなエネルギーとして彼女のそばにあると思う。

だから大丈夫だよ。絶対に。

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私もずっと友人として彼女を見守ります。

だから安心してこの世を卒業してくださいね。

心からご冥福をお祈りします。

合掌。

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