私と天国にのぼった仔猫の話

こんにちは。さきちです。

今週の月曜日に実際にあった話をします。

いつか、私が歳をとったとき、こんなこともあったなぁと思い出せるように。

ここに書き残します。

.

.

今週の月曜日は、日曜日に市民運動会があった振替休日で、小学生の娘と一緒にお休みでした。

たまたま娘の年に一度の心臓の病気のフォローの日と重なり、午後1番で病院に向かっていました。

病院は、車で３０分ほどのところです。

.

2人で車に乗って間もなく、まだ５分も走っていないところで、前方に何かが落ちていました。

道路の真ん中寄りに、小さな”何か”。

…なんだろう？

.

近づくにつれて、それが仔猫だと分かりました。

私にはまだその身体が動いているように見えて、、、焦りました。

瞬時に仔猫をよけて、長女に言いました。

『ねえ、仔猫がひかれていたけど、まだ生きてるかもしれない。ママ車停めて見に行くけど、いいかな？』と。

まだ小学一年の長女は、おそらく『？』だったと思います。

でも私のただならぬ様子に『うん』と言ってくれました。

幸い、病院の予約時間までは、まだ十分に時間がありました。

.

車を寄せる場所がなかなかなくて、少し先の農道を入ったところに車を停めて、2人で走って元の道を急いで戻りました。

娘の手を取り、なるべく平常心で。

仔猫が轢かれた場所を過ぎてから、戻るまで、恐らく５〜6分はかかってしまったと思います。

.

車の通りがかなりあり、

ビュンビュンと車が通り過ぎて行きます。

.

どこだ？どの辺だったっけ？

.

あの子を見つけた！

小さい薄い茶色の身体が見えました。

でも、明らかにさっきの場所とは違う場所に仔猫は転がってしまっていました。

.

もう一度轢かれてしまったようです…

私は恐る恐る近づいていきました。

.

心臓がバクバクして長女と繋いだ手が汗ばみます。

ようやく仔猫の全体像が捉えられました。

.

身体の向きは？顔はどこ？

もう、、、とても無惨な姿でした。

一目で、もうダメだとわかりました。

とても子どもには見せられないような姿で

仔猫の顔は、もう形をなしていませんでした。

.

.

『あぁ、ダメだ…』

私は血の気が引いてしまい、すぐにきびすを返しました。

.

私がもっと早く戻れていたら…

もっと早く判断して、早く停まっていれば。

もしかしたら助かったかもしれないのに。

ごめんね。と心の中で謝りました。

.

娘を怖がらせてはいけないから、努めて明るく言いました。

『猫ちゃん、もう一度轢かれてしまっていたよ。もうきっと天国にいっちゃったと思う』と。

長女は小さな声で『また生まれ変わるよ』と言いました。

.

繋いだ手をもう一度強く握って、車に戻りました。

何事もなかったかのように病院へ向かいました。

.

.

悲しくて虚しくて情けないような気分でした。

余計なことしなきゃよかった。

そんな風な気にもなりました。

.

人間ってひどいなと単純に思いました。

.

病院に着いて待ち時間が長かったので

前日にたまたまLINEをしていた方、

以前妖精画を依頼した女性にそのことを話しました。

『それは辛かったですね。』『でも、誰かが気にかけてもらったこと子猫ちゃんはうれしかったと思いますよ』

と慰めてもらい、なんとか気持ちを立て直しました。

.

次の日、その女性から再度LINEが来ました。

仔猫ちゃんが伝えたいことがあるようです、と。

『天使のようなあなたに、大きな羽をつけてもらって、高く高く飛べたよ』と。

『もう大丈夫だよ。心配しないで。』と。

.

私はここで、ようやく泣くことができました。

.

私は、小さなあの身体が誰にも抱きしめられてもらえずに亡くなってしまったことが辛かった。

でも、私のとらえられない大きな”意識”が、あの世を旅立つ猫ちゃんに祝福を与えられたのなら、

それほど嬉しいことはない。

地球ではほんの数ヶ月の命だったかもしれないけれど、一瞬でもあなたを気にかけて必死で走った人間がいたことを知ってほしい。

.

私と仔猫ちゃんの話。

.

いつかまた天国で会えたらいいね。

目を瞑ったら、おめめの大きな可愛いお顔がこっちを見てる。虎柄の小さなあの子が見えます。

.

それじゃあまた！元気でね。